「隠す収納」:生活感をなくすための 5 つの工夫

住空間における「隠す収納」:生活感をなくすための5つの工夫

現代の住まいづくりにおいて、「生活感」をいかに抑え、美しく整然とした空間を維持するかは、多くの人が重視するポイントです。そのための有効な手段として、「隠す収納」が注目されています。見せる収納が、デザイン性や個性を表現する一方で、隠す収納は、散らかりがちな日用品や生活感のあるアイテムを視界から遮断し、ミニマルで洗練された印象を与えることを可能にします。本稿では、風呂、キッチンといった水回りからリビング、寝室まで、住空間全体で実践できる「隠す収納」の具体的な工夫を5つ、詳細に解説していきます。

1. 造作家具による壁面収納の活用

1.1. 壁一面を収納スペースに:統一感と機能性の両立

造作家具は、住まいの空間に合わせて設計できるため、デッドスペースをなくし、最大限の収納力を引き出すことができます。特に、壁一面を全面収納にすることで、空間に溶け込むような一体感を生み出すことが可能です。例えば、リビングであれば、テレビボードと一体化した収納棚を造作し、AV機器や書籍、雑貨などを扉や引き出しの中にすっきりと隠すことができます。扉のデザインや色を壁紙と同系色にすることで、視覚的なノイズを最小限に抑え、壁の一部のように見せることも可能です。

1.2. キッチンにおける隠す収納:調理器具や食材の整理

キッチンは、調理器具、食器、食材など、物が多い場所だからこそ、隠す収納の効果が際立ちます。吊戸棚の扉をルーバータイプやガラス扉にせず、フラットなデザインで、壁色と統一することで、生活感を軽減できます。また、シンク下やコンロ下の引き出しを細かく仕切ることで、調理器具やカトラリーが散らばらず、整理整頓された状態を保つことができます。さらに、パントリーを設けて、食品ストックや家電などをまとめて収納することで、キッチンカウンターを常に清潔に保つことができます。

1.3. バスルームにおける隠す収納:清潔感と機能性の両立

バスルームは、湿気や水滴の影響を受けやすいため、収納選びには注意が必要です。造作の洗面台一体型収納や、壁埋め込み型の収納棚は、空間を有効活用しつつ、生活感のある洗剤やタオル、化粧品などを目立たなくさせることができます。扉付きの収納は、ホコリの付着も防ぎ、清潔感を保つ上で役立ちます。また、洗濯機上のスペースを吊戸棚で活用し、洗剤や洗濯用品を隠して収納するのも効果的です。

2. 扉付き収納と統一感のあるデザイン

2.1. 扉の素材と色:空間に溶け込ませる工夫

「隠す収納」の最も基本的な形が、扉付きの収納です。しかし、ただ単に扉が付いているだけでなく、その素材や色を周囲のインテリアと調和させることが重要です。壁紙や建具の色と同系色で統一したり、マットな質感の素材を選んだりすることで、収納扉が壁の一部のように見え、空間に溶け込みます。取っ手のないプッシュオープン式の扉は、さらにミニマルで洗練された印象を与えます。

2.2. 引き出しの活用:細やかな整理整頓

引き出しは、中身が見えにくく、整理整頓がしやすい優秀な収納です。キッチンでは、カトラリーや調理小物、食器などを種類別に仕切りを入れて整理することで、取り出しやすく、片付けやすい環境を作ることができます。衣類収納においても、引き出しは畳んだ服をきれいに並べることができ、一目で中身がわかるようにラベリングを施すことも有効です。

2.3. 建具との一体化:空間の広がりを演出

既存の建具、例えばクローゼットや押入れの扉を、壁の色や素材と統一することで、収納であることが目立たなくなり、空間に一体感が生まれます。建具に特殊な加工を施したり、壁紙を貼り替えたりするだけでも、隠す収納としての効果は高まります。

3. 生活動線に合わせた収納計画

3.1. 「使う場所の近く」に収納:効率的な生活

隠す収納の真価は、生活動線を考慮することで最大限に発揮されます。例えば、キッチンでよく使う調味料は、コンロの近くの引き出しに、食器はダイニングテーブルから近い場所に収納することで、無駄な動きを省き、効率的な家事が可能になります。リビングでよく読む本は、ソファの近くの棚に、寝室で使うパジャマはベッドの近くのチェストに収納するなど、身近な場所にしまうことで、散らかりを防ぐことができます。

3.2. 玄関周りの収納:第一印象を清潔に

玄関は住まいの顔とも言える場所です。靴や傘、バッグなど、意外と物が多くなりがちです。シューズクロークを設けることで、靴はもちろん、ベビーカーやアウトドア用品などもすっきりと隠すことができます。扉付きの収納棚を設置し、鍵や郵便物などを整理することも、玄関を常に清潔に保つための重要なポイントです。

3.3. ランドリールームの工夫:家事効率を向上

ランドリールームは、洗濯、乾燥、アイロン、たたむといった一連の家事が行われる場所です。洗剤や柔軟剤、ハンガー、アイロン台などの道具を扉付きの収納にまとめることで、生活感を抑え、すっきりとした空間を維持できます。また、たたんだ洗濯物を一時的に置くためのカウンターや、アイロンをかけるスペースも確保することで、家事の効率が向上します。

4. 生活感のあるアイテムを「見せない」工夫

4.1. 薬箱・掃除道具の収納:機能性とデザイン性の両立

薬箱や掃除道具は、生活感が出やすいアイテムですが、機能的かつデザイン性を損なわないように隠すことが重要です。洗面台下やキッチンの引き出しに専用のボックスを用意し、小分けにして収納することで、見た目がすっきりします。掃除道具は、スリムなデザインのものを選び、目立たない場所に立てて収納するなどの工夫も効果的です。

4.2. 消耗品のストック管理:見えない場所への集約

トイレットペーパー、ティッシュペーパー、洗剤などの消耗品は、どうしてもある程度の量が必要になります。これらを生活空間に溢れさせず、パントリーやクローゼットの奥、ベッド下などの見えない場所に集約して収納することが重要です。定期的に在庫を確認し、必要最低限の量を手に届く範囲に置くように心がけましょう。

4.3. コード類・リモコンの整理:生活感を排除する細やかな配慮

テレビ、オーディオ機器、充電器などのコード類や、リモコンは、散らかりやすい代表格です。コードは、ケーブルボックスや結束バンドを活用してまとめ、家具の裏などに隠すようにしましょう。リモコンは、専用の収納トレーを用意し、決まった場所に置くことで、失くすことも防ぎ、すっきりとした印象を保つことができます。

5. 収納内部の工夫:見えない部分へのこだわり

5.1. 収納ボックス・仕切りの活用:整理整頓の徹底

隠す収納の効果を最大限に引き出すためには、収納内部の整理整頓が不可欠です。収納ボックスや仕切りを活用し、アイテムを種類別に分類することで、どこに何があるかが一目でわかるように整理します。半透明のボックスは、中身がぼんやりと見えるため、おしゃれな雰囲気を保ちつつ、取り出しやすさも両立できます。

5.2. ラベリング:「見えない」から「わかる」へ

隠す収納は便利ですが、どこに何を入れたかを忘れてしまうと本末転倒です。ラベリングは、見えない部分の必須の工夫です。ボックスの側面や引き出しの内側などに、内容物を明記することで、誰でもすぐに目的の物を見つけられるようになります。おしゃれなフォントを選ぶと、隠された部分にもこだわりを感じさせることができます。

5.3. 定期的な見直しと断捨離:収納スペースの最適化

隠す収納は、一度作って終わりではありません。定期的に収納の中身を見直し、不要な物を断捨離することが重要です。物が減ることで、収納に余裕が生まれ、より効率的に物を管理できるようになります。「もったいない」の気持ちも大切ですが、空間の美しさと機能性を両立させるためには、思い切った断捨離も必要です。

まとめ

「隠す収納」は、単に物を隠すだけでなく、空間に美しさと秩序をもたらし、日々の生活をより快適にするための有効な手段です。造作家具の活用、扉付き収納のデザイン、生活動線に合わせた計画、生活感のあるアイテムを見せない工夫、そして収納内部の丁寧な整理と見直し。これらの5つのポイントを意識することで、誰でも理想の「隠す収納」を実現し、心地よい住空間を手に入れることができるでしょう。

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