UBのデザイン 2 :海外の洗面所 5 選
日本の浴室・洗面所(UB:ユニットバス)のデザインは、機能性を重視したものが主流ですが、海外の洗面所には、デザイン性、素材感、そして空間の広がりを巧みに取り入れた、私たちに新たなインスピレーションを与えてくれる事例が数多く存在します。ここでは、選りすぐりの海外の洗面所を5つご紹介し、それぞれの特徴や魅力を掘り下げていきます。
1. ミニマル&モダン:北欧デザインの静寂
北欧デザインの洗面所は、シンプルでありながら洗練された美しさが特徴です。直線的なフォルム、温かみのある木材とクールな質感のタイルの組み合わせ、そしてミニマルな照明が、落ち着きと安らぎに満ちた空間を演出します。無駄を削ぎ落としたデザインは、清掃性にも優れ、日々のメンテナンスを容易にします。洗面ボウルは、カウンター一体型や、独立したアートピースのようなデザインのものも多く見られます。壁には、ニュートラルカラーのタイルや塗装が施され、鏡はフレームレスか、細い金属フレームで縁取られたものが一般的です。収納は、壁付けのキャビネットや、オープンシェルフを巧みに利用し、必要最低限のものを美しく配置します。照明は、間接照明を多用し、柔らかな光が空間全体を包み込みます。このタイプの洗面所は、日々の喧騒から離れ、静寂なひとときを過ごしたいと願う人々に最適です。
1.1. 素材の選択
北欧デザインでは、オーク材やバーチ材などの天然木が多用されます。これらの木材は、経年変化と共に味わいを増し、空間に温もりを加えます。また、天然石やセラミックタイルも、床や壁のアクセントとして使われ、質感のコントラストを生み出しています。
1.2. 色彩計画
基調となる色は、ホワイト、グレー、ベージュといったニュートラルカラーです。そこに、アクセントカラーとして、ブルーやグリーン、マスタードイエローなどを、小物やファブリックで取り入れることで、空間に深みと個性をプラスします。
2. ボヘミアン&エスニック:異国情緒あふれる自由な空間
ボヘミアンやエスニックテイストの洗面所は、色鮮やかで個性豊かなデザインが魅力です。モロッカンタイルやカラフルなモザイクタイル、天然素材のラタンや竹などがふんだんに使われ、エキゾチックでリラックスできる雰囲気を醸し出します。植物を大胆に配置したり、ヴィンテージ感のある小物をディスプレイしたりすることで、自分らしい空間を追求できます。洗面ボウルは、素朴な陶器製や、銅製のものなども選択肢に入ります。壁には、大胆な柄のタイルや、テラコッタのような温かみのある素材が使われることもあります。鏡は、装飾的なフレームを持つものや、複数の小さな鏡を組み合わせたものなどが、個性を際立たせます。収納は、オープンシェルフに、カゴや麻袋などを利用して、ラフでありながら機能的にまとめます。照明は、ペンダントライトやランタンなどを使い、温かい光で空間を演出します。このスタイルの洗面所は、日常を忘れ、旅のような気分を味わいたい、個性的で自由な空間を求める人々におすすめです。
2.1. タイルの活用
このスタイルの洗面所の最大の特徴は、タイルの大胆な使用です。特にモロッカンタイルやモザイクタイルは、幾何学模様や鮮やかな色彩で、空間にエキゾチックな魅力を与えます。床全体に敷き詰めたり、壁の一部にアクセントとして使用したりと、様々な展開が可能です。
2.2. 植物と小物
観葉植物は、空間に生命感とリフレッシュ感をもたらします。また、エスニック調の雑貨やヴィンテージのアクセサリーなどをセンス良く配置することで、オリジナリティあふれる空間を演出できます。
3. インダストリアル&ヴィンテージ:素材感と無骨な魅力
インダストリアルやヴィンテージスタイルの洗面所は、コンクリート、レンガ、アイアンといった素材感をダイレクトに感じさせるデザインが特徴です。剥き出しの配管や古材、使い込まれたような質感のアイテムが、男性的で力強い雰囲気を醸し出します。洗面ボウルは、ホーロー製やコンクリート製、アンティーク調の陶器製などがよく合います。壁には、コンクリート打ち放しやレンガ調のタイル、ラスティックな木材などが使われ、無骨でありながら温かみも感じさせます。鏡は、アイアンフレームのものや、古びた加工が施されたものが、ヴィンテージ感を高めます。収納は、オープンシェルフに金属製のバスケットや木箱などを使い、実用的かつデザイン性も兼ね備えます。照明は、エジソンランプのようなレトロな電球を使ったペンダントライトや、スポットライトなどが、陰影を効果的に作り出します。このスタイルの洗面所は、都会的でクールな雰囲気を好み、素材の持つ経年変化を楽しみたい人におすすめです。
3.1. 素材の選択
コンクリート、レンガ、アイアン、古材といった無骨でナチュラルな素材は、このスタイルの根幹をなします。これらの素材が持つ独特の質感は、空間に深みと個性的な魅力を与えます。
3.2. 照明演出
エジソンランプのようなノスタルジックな電球や、無骨なデザインの工業系照明は、空間の雰囲気を決定づける重要な要素です。温かみのある光と陰影が、洗練された無骨さを演出します。
4. クラシック&エレガント:ホテルのような上質な空間
クラシックやエレガントスタイルの洗面所は、優雅で贅沢な雰囲気が特徴です。大理石や天然木、真鍮などの高級素材がふんだんに使われ、繊細な装飾が施されます。洗面ボウルは、アンティーク調の陶器製や、カウンター一体型の大理石製などが洗練された印象を与えます。壁には、上品な柄の壁紙や、装飾的なタイル、モールディングなどが施され、華やかさと奥行きを演出します。鏡は、装飾的なフレームを持つアンティーク調のものや、大きな鏡が空間を広く見せます。収納は、彫刻的なデザインのキャビネットや、ガラス扉の飾り棚などが、上質さを際立たせます。照明は、シャンデリアやブラケットライトなどのゴージャスなものを選び、高級感を演出します。このスタイルの洗面所は、日常を忘れ、まるでホテルにいるかのような非日常感を味わいたい、エレガントでロマンチックな空間を求める人々におすすめです。
4.1. 素材の選択
大理石、天然木(マホガニーなど)、真鍮、クリスタルガラスといった高級感のある素材は、エレガントな空間を演出する上で不可欠です。これらの素材の光沢や質感は、洗練された雰囲気を強調します。
4.2. 装飾とディテール
繊細な彫刻が施されたキャビネット、装飾的な取っ手、クラシックなデザインの水栓金具などが、空間に奥行きと細部へのこだわりを感じさせます。
5. ナチュラル&ミニマリズム:癒やしの無垢な空間
ナチュラルとミニマリズムを融合させた洗面所は、自然の素材を最大限に活かし、シンプルで心地よい空間を目指します。無垢材の温かみ、観葉植物のみずみずしさ、そして自然光が心地よく差し込むデザインが特徴です。洗面ボウルは、陶器製や石製のシンプルなデザインで、素材感を重視します。壁には、漆喰や珪藻土といった調湿効果のある自然素材を使い、健康的な空間を実現します。鏡は、シンプルな木製フレームのものや、フレームレスでミニマルなデザインを選びます。収納は、オープンシェルフに竹製やリネン製のバスケットなどを使い、自然で柔らかな印象にまとめます。照明は、自然光を最大限に取り入れる工夫をし、必要最低限の間接照明で落ち着いた雰囲気を演出します。このスタイルの洗面所は、リラックスできる癒やしの空間を求め、ミニマルで環境にも配慮した暮らしを送りたい人々におすすめです。
5.1. 素材の選択
無垢材(杉、ヒノキなど)、石材、竹、リネンといった自然素材は、温もりと安らぎを与え、健康的な空間を演出します。これらの素材の素朴で美しい質感が、ミニマルなデザインに深みを加えます。
5.2. 緑の配置
観葉植物は、空間に生命感とフレッシュさをもたらし、リラックス効果も高めます。シンプルな植木鉢にグリーンを活かすことで、ナチュラルな雰囲気が一層、引き立ちます。
まとめ
今回ご紹介した5つの海外の洗面所は、それぞれに独自の魅力とデザイン哲学を持っています。北欧のミニマルな静寂、ボヘミアンの自由でカラフルな異国情緒、インダストリアルの無骨で力強い 素材感、クラシックの優雅で贅沢な上質さ、そしてナチュラルの癒やしと安らぎ。これらの事例は、単に見た目の美しさだけでなく、住まいにおける洗面所という空間が、いかに豊かで多機能な場所になりうるかを示唆しています。日本のUBデザインにおいても、機能性を維持しつつ、デザインや素材、空間演出に目を向けることで、より快適で個性のある住空間を創造することが可能になるはずです。ご自身のライフスタイルや好みに合わせ、理想の洗面所をイメージしてみてください。