お風呂の節水:5つの習慣で水道代を減らす
日々の生活で欠かせない「お風呂」。リラックス効果はもちろん、体を清潔に保つための重要な場所です。しかし、その一方で、お風呂は家庭で使われる水の中でも大きな割合を占めており、無意識のうちに水道代を圧迫している可能性があります。本稿では、ご家庭で簡単に実践できる「お風呂の節水」に焦点を当て、5つの具体的な習慣をご紹介します。これらの習慣を取り入れることで、環境への配慮はもちろん、経済的なメリットも享受できるでしょう。毎日のバスタイムを、より賢く、よりお得にするためのヒントがここにあります。
1. シャワーの時間を短縮する
お風呂の節水で最も効果的な方法の一つが、シャワーの利用時間を短縮することです。浴槽にお湯をためるよりも、シャワーの方が一般的に多くの水を使う傾向があります。例えば、1分間のシャワーで約12リットルの水が使われると言われています。1回のシャワーで1分短縮できれば、それだけで12リットルの節水になります。これを毎日続けると、かなりの量の水が節約できることがわかります。
シャワー時間を短縮するための具体的な工夫
- タイマーを活用する:スマートフォンのタイマー機能や、キッチンタイマーなどを利用して、シャワーの時間を意識的に管理しましょう。目標時間を設定し、その時間内に洗い終えるように心がけます。
- 「ながら洗い」を避ける:シャワーを出しっぱなしにして、髪や体を洗うのは避けましょう。洗っている間はシャワーをこまめに止める習慣をつけるだけで、大幅な節水につながります。
- 家族で協力する:家族全員でシャワー時間の節水を意識することが大切です。子供には、シャワーの時間を短くすることの重要性を伝え、一緒に取り組むことで、楽しみながら節水を習慣化できます。
- 節水シャワーヘッドへの交換を検討する:後述しますが、節水シャワーヘッドは、水圧を保ちながら使用水量を減らすことができるため、シャワー時間を短縮する効果をさらに高めます。
2. 浴槽の湯量を適正にする
浴槽にお湯をためる際の湯量も、節水に大きく関わってきます。浴槽のサイズや、家族の人数に合わせて適正な湯量を設定することが重要です。毎度、浴槽いっぱいにお湯をためていると、無駄な水とエネルギー(ガスや電気)を消費することになります。
適正な湯量を設定するための具体的な工夫
- 家族の人数を考慮する:家族全員が浸かる場合でも、全員が一度に浸かる必要はありません。湯船のお湯を2回目以降も利用する「追い焚き」を前提に、湯量を調整しましょう。
- 浴槽の目盛りを活用する:浴槽によっては、水位の目安となる目盛りが付いています。これを参考に、家族の人数に合わせて適切な湯量を設定しましょう。
- 「湯量設定」機能付き給湯器を利用する:近年の給湯器には、浴槽の湯量を自動で設定できる機能が付いているものがあります。この機能を利用することで、常に一定の適正湯量を保つことができます。
- 浴槽の代わりにシャワーをメインにする:家族の人数が少ない場合や、一人暮らしの場合は、浴槽にお湯をためる頻度を減らし、シャワーをメインにするだけでも大幅な節水になります。
3. 浴槽のお湯を再利用する
一度お風呂のお湯をためたとしても、それをそのまま捨ててしまうのはもったいないことです。浴槽のお湯を効果的に再利用することで、さらなる節水と、掃除の効率化にもつながります。
浴槽のお湯の再利用方法
- 洗濯に利用する:浴槽のお湯は、洗濯に再利用するのに非常に適しています。特に、最後のすすぎ以外であれば、そのまま洗濯機に入れて使用できます。風呂の残り湯は、温かいので洗剤の溶けやすさも向上し、汚れ落ちが良くなる場合もあります。ただし、衛生面が気になる場合は、洗濯槽クリーナーなどを定期的に使用することをおすすめします。
- 床掃除や庭の水やり・掃除に利用する:浴槽のお湯は、床掃除の際に雑巾を浸すのに使ったり、庭の水やり(植物の種類によっては適さない場合もありますので注意が必要です)、玄関周りの掃き掃除や泥落としなどにも活用できます。
- つけ置き洗いに利用する:頑固な汚れを落としたい衣類や、油汚れのひどい食器などをつけ置き洗いする際に、お風呂の残り湯を活用できます。
- 注意点:浴槽のお湯を再利用する際は、雑菌の繁殖に注意が必要です。できるだけ早く使い切るようにし、高温多湿な時期や、衛生面が特に気になる場合は、使用を控えることも検討しましょう。
4. 節水グッズを活用する
近年、節水に特化した様々なグッズが販売されています。これらの節水グッズを賢く活用することで、特別な努力をしなくても、自然と節水効果を得ることができます。
おすすめの節水グッズ
- 節水シャワーヘッド:これは最も効果的な節水グッズの一つです。穴の数を増やしたり、穴の大きさを小さくしたり、水流を工夫することで、少ない水量でも水圧を保ち、快適な使用感を実現します。製品によっては、年間数万円の水道代・ガス代の節約になるというデータもあります。
- 浴槽用蛇口ストッパー:浴槽の蛇口からお湯をためる際に、設定した湯量になると自動的に止まるストッパーです。湯量を間違える心配がなく、無駄なくお湯をためることができます。
- 水道蛇口用節水アダプター:キッチンのシンクなど、シャワーヘッドが取り付けられない場所でも、水流を細かくしたり、空気と混ぜたりすることで、使用水量を減らすことができるアダプターです。
5. お風呂掃除を効率化する
お風呂掃除の際にも、意外と多くの水を使っていることがあります。掃除の手順や方法を工夫することで、無駄な水の使用を減らし、効率的に掃除を行うことができます。
お風呂掃除の効率化
- 「つけ置き」や「パック」を活用する:浴室の壁や床などの頑固な水垢や石鹸カスには、洗剤をつけたキッチンペーパーやラップなどで「パック」したり、洗剤を薄めて「つけ置き」したりすることで、洗剤の効果を高め、ゴシゴシこする時間を短縮できます。これにより、無駄な水で流す回数を減らすことができます。
- 洗剤の量を適量にする:洗剤は、多く使えば使うほど効果があるわけではありません。製品に記載されている使用量を守り、適量を使用しましょう。
- マイクロファイバークロスなどの吸水性の高い道具を使う:吸水性の高いクロスを使えば、一度で多くの水分を拭き取ることができるため、乾かすための水の使用量を減らすことができます。
- 浴室乾燥機や換気扇を効果的に利用する:掃除の後に、浴室乾燥機や換気扇を適切に利用して、浴室を乾燥させることで、カビの発生を抑え、次回以降の掃除を楽にすることができます。
まとめ
お風呂での節水は、特別なことをする必要はなく、日々のちょっとした習慣の見直しで、大きな効果を発揮します。シャワー時間の短縮、適正な湯量の設定、浴槽のお湯の再利用、節水グッズの活用、そして掃除の効率化。これら5つの習慣を意識的に実践することで、毎月の水道代を確実に減らすことができます。さらに、水資源の有効活用は、地球環境への貢献にもつながります。今日からできることから始めて、賢く、そしてエコなバスタイムを送りましょう。
