「 DIY 16 」:シャワーの椅子を DIY

DIY 16:シャワーチェアの製作

はじめに

本プロジェクトでは、浴室での快適性と安全性を向上させるために、DIYでシャワーチェアを製作します。高齢者や身体の不自由な方だけでなく、浴槽に浸かる前に身体を洗う際に、よりリラックスしたいと考えるすべての方にとって、シャワーチェアは非常に有用なアイテムです。市販品も多数存在しますが、既製品ではサイズやデザインが合わない、あるいはコストを抑えたいといった場合に、DIYでの製作は有効な選択肢となります。ここでは、比較的容易に製作でき、かつ実用性の高いシャワーチェアの設計と製作手順について、詳細に解説します。

設計思想と材料選定

安全性と耐久性

シャワーチェアに求められる最も重要な要素は、安全性と耐久性です。水回りでの使用を想定するため、使用する材料は耐水性と耐久性に優れている必要があります。また、使用中にぐらつきや破損が生じないよう、構造的な強度も十分に確保しなければなりません。

材料

今回採用する材料は、以下の通りです。

  • 木材:

    • 候補1:チーク材
      チーク材は天然の油分を多く含み、非常に高い耐水性と耐久性を持っています。高級感のある木目も魅力ですが、比較的高価です。
    • 候補2:ヒバ材・ヒノキ材
      これらの樹種も、天然の抗菌・防虫効果があり、耐水性も比較的高いです。チーク材に比べて入手しやすく、価格も抑えられます。DIYでは扱いやすさも重要ですので、これらの樹種は有力な候補となります。
    • 候補3:防腐・防カビ処理済みの杉材・SPF材
      ホームセンターなどで容易に入手でき、価格も手頃です。ただし、天然の耐水性は高くないため、屋外用塗料や防水ニスでの丁寧な下地処理と塗装が必須となります。

    今回は、入手性とコストのバランスを考慮し、防腐・防カビ処理済みの杉材を主に使用し、表面に防水ニスを複数回塗布する方針で進めます。

  • 接合部材:

    • ステンレス製のネジ・ビス
      錆びにくいステンレス製を使用することで、水回りでの使用による腐食を防ぎます。
    • 防水木工用ボンド
      木材同士を接着する際に使用します。
    • 必要に応じて、L字型金具などの補強材
      特に荷重のかかる部分に用いることで、構造強度を高めます。
  • 表面仕上げ材:

    • 耐水性・防カビ性の高い塗料・ニス
      木材の保護と美観のために必須です。艶消しタイプや半艶タイプなど、好みに応じて選択できます。

デザイン

シンプルで安定感のあるデザインを目指します。

  • 座面:
    快適性と水はけを考慮し、数本の板を等間隔に配置します。
  • 脚:
    安定性を高めるために、4本脚とします。接地面には、滑り止めのゴムキャップなどを装着することも検討します。
  • 背もたれ:
    今回は、よりシンプルな構成とし、背もたれのないタイプで製作します。必要に応じて、後から追加することも可能です。
  • サイズ:
    使用者の身長や浴槽の高さに合わせて、座面高や全体の高さを調整します。標準的な座面高は、おおよそ40cm~45cm程度ですが、個々のニーズに合わせて変更してください。

製作手順

1. 設計図の作成と木材のカット

まず、製作したいシャワーチェアの具体的な寸法を決定し、設計図を作成します。座面のサイズ、脚の長さ、板の枚数などを決定します。

設計図に基づき、ホームセンターなどで購入した木材を、指定された寸法にカットします。カットは、ノコギリや丸ノコなどを使用します。ミリ単位の精度が求められる箇所は、慎重に作業を行います。カットした木材の角は面取りしておくと、手触りが良くなり、怪我の防止にもなります。

2. 部材の加工と下準備

カットした木材には、サンドペーパー(紙やすり)をかけて、表面を滑らかにします。粗い番手から始め、徐々に細かい番手のものへと変えていくことで、より美しい仕上がりになります。

特に、水に触れる機会の多い部分や、接合部は、防水・防カビ処理を施します。屋外用の木材保護塗料や、防水ニスを、指定された回数、丁寧に塗布します。塗布する際は、木目に沿って均一に塗ることを心がけ、乾燥時間を十分に取ります。

3. 組み立て(座面部分)

座面を構成する板を、等間隔に並べ、裏側から貫(ぬき)とステンレス製のビスで固定します。貫は、座面を構成する板を繋ぎ合わせるための横木です。ボンドを併用すると、より強固に固定できます。

座面と脚を繋ぐための貫を、座面裏側に適切な位置で取り付けます。

4. 組み立て(脚部分)

4本の脚材を、貫(脚と脚を繋ぐ横木)で固定し、安定したフレームを作ります。この際、脚が垂直に立っているか、対角線の長さが等しいかなどを確認しながら組み立てます。

座面部分と脚部分を、ステンレス製のビスと防水木工用ボンドでしっかりと接合します。必要に応じて、L字型金具などを追加して補強します。

5. 最終仕上げと確認

組み立てが完了したら、再度全体にサンドペーパーをかけ、表面を滑らかにします。特に、角やエッジ部分は念入りに行います。

最後に、防水ニスや耐水性塗料を、全体に数回に分けて丁寧に塗布します。塗料が完全に乾燥するまで、十分な時間を置きます。

設置場所で、ぐらつきがないか、接合部に緩みがないかなどを確認します。必要であれば、脚の裏にゴムキャップなどを取り付け、滑り止めと床の保護を行います。

使用上の注意点とメンテナンス

使用上の注意

製作したシャワーチェアは、浴室という特殊な環境での使用を想定しています。以下の点に注意してご使用ください。

  • 耐荷重:使用する木材の強度や接合部の状態により、耐荷重は異なります。必要以上に負荷をかけないように注意してください。
  • 滑りやすさ:座面や脚が濡れていると滑りやすくなる可能性があります。足元が濡れている状態での座り降りには十分注意してください。
  • 定期的な点検:使用前に、ぐらつきや破損がないか、定期的に点検してください。

メンテナンス

シャワーチェアを長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが不可欠です。

  • 使用後の水切り:使用後は、できるだけ水滴を拭き取り、風通しの良い場所で乾燥させてください。浴室内に放置したままにすると、カビや腐食の原因になります。
  • 定期的な再塗装:木材の保護のために、定期的に(例えば、年に一度程度)防水ニスや塗料を塗り直すことをお勧めします。
  • 汚れの除去:石鹸カスなどの汚れは、柔らかい布で拭き取ってください。

まとめ

今回製作したDIYシャワーチェアは、安全性、耐久性、そして実用性を兼ね備えたものです。材料の選定から丁寧な作業を行うことで、市販品にはないオリジナリティと愛着の湧く一品となります。浴室の雰囲気に合わせたデザインにすることも可能です。

このプロジェクトを通して、DIYの楽しさと、住空間をより快適にするための工夫を実感していただければ幸いです。安全に注意し、ご自身のライフスタイルに合ったシャワーチェアを製作してみてください。

PR
キッチン・お風呂情報
フォローする